花火の掛け声「たまや」「かぎや」、もとは何? 教養・雑学

花火の掛け声「たまや」「かぎや」、もとは何?

花火が上がると、つい口をついて出る「たまや〜」の声。この「たまや」「かぎや」が、もともと何を指す言葉だったのかは、あまり知られていません。

Q

「たまや」「かぎや」は、もともと何を指す言葉でしょうか。

A.

解説

正解は「江戸時代の花火師(花火屋)の屋号」。

「たまや」「かぎや」は、もともと江戸時代に活躍した花火屋(花火師)の屋号です。「玉屋(たまや)」と「鍵屋(かぎや)」という、二つの店の名前でした。

古いのは鍵屋で、江戸時代の前半に大和(今の奈良県あたり)から江戸へ出て創業したと伝えられます。のちに鍵屋から暖簾分けして独立したのが玉屋で、二つの店は隅田川の「両国の川開き」などで腕を競い合いました。上流と下流に分かれて花火を打ち上げ、見物客は、より見事だと思ったほうの屋号を「たまや〜」「かぎや〜」と声をあげてほめた、と伝えられています。掛け声は、ひいきの店への声援だったわけです。玉屋は評判を集めましたが、店から火を出してしまったことをきっかけに、江戸を追われ、一代で途絶えたとされています。

いま「かぎや」より「たまや」の声のほうが多く聞かれるのは、当時の玉屋の花火が人気だった名残とも言われます。皮肉なことに、長く続いたのは鍵屋のほうで、その流れをくむとされる花火の家は、二百年を越えて今に伝わるとも言われています。花火を見上げて何気なく叫ぶあの言葉は、川の両岸で腕を競い合った、花火屋の名前でした。今度「たまや〜」と声が上がったら、上流と下流で張り合った二軒の物語を、隣の人にひとつ話してみるのも一興です。

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