秋分の日はなぜ年によって変わる? 教養・雑学
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秋分の日はなぜ年によって変わる?


「来年の秋分の日はいつ?」と聞かれて、すぐに答えられる人は多くありません。九月二十二日の年もあれば、二十三日の年もあるからです。

ほかの祝日はたいてい日付が決まっているのに、秋分の日だけは年によって変わります。日付を決めているのは、カレンダーの都合ではなく、太陽です。

01日付が「決まっていない」祝日

多くの国民の祝日は、「文化の日は十一月三日」のように日付が固定されています。第◯月曜日と決まっている祝日もありますが、いずれも、あらかじめルールで日にちが分かります。

秋分の日は、そのどちらとも違います。近年は九月二十三日になる年が多いものの、うるう年を中心に九月二十二日になる年もあります。天体の動きそのものが日付を決めている祝日は、春分の日と秋分の日の二つだけです。日付が一日ぶれるだけの小さな話に見えて、その裏では、地球の運行と暦をどう合わせるかという、大きな帳尻合わせが行われています。

02一年は365日ちょうどではない

地球が太陽のまわりを一周するのにかかる時間は、三百六十五日ちょうどではありません。実際にはおよそ三百六十五・二四日、つまり一年ごとに六時間ほどの端数が積み残されていきます。

この端数のぶん、季節の節目がやってくる瞬間は毎年少しずつ後ろへずれます。四年に一度うるう年を置いて一日を足し、たまったずれをまとめて戻す。この「ずれては戻す」のくり返しの結果、秋分を迎える瞬間が九月二十二日側に来る年と、二十三日側に来る年が生まれます。祝日の日付が動くのは、この調整の副産物です。

秋分の日は、人が決めた記念日ではなく、地球と太陽の位置関係が決める祝日です。

03決めるのは国立天文台

では、実際の日付は誰がどう定めるのか。太陽の位置を細かく計算して秋分の瞬間を推算しているのは、国立天文台です。その計算をもとに、翌年の祝日の日付をまとめた「暦要項(れきようこう)」が、前の年の二月一日に官報へ掲載され、そこで正式に決まります。

言いかえると、来年の秋分の日は前の年まで公式には確定しません。もっと先の年についても、計算上の見込みは出せますが、あくまで予定という扱いです。ちなみに二〇二六年の秋分の日は九月二十三日で、春分の日も同じ仕組みで決められています。祝日でありながら、毎年あらためて空を計算して決めている。暦のうしろでは、そういう静かな作業がいまも続いています。カレンダーに印刷される前に、天文台の計算というひと工程がはさまっているわけです。

04そもそも「秋分」とは何か

秋分は、昼と夜の長さがほぼ同じになる日とされています。太陽がほぼ真東からのぼって真西へ沈み、これを境に、日ごとに夜のほうが長くなっていきます。夏の名残がやわらぎ、季節が秋へ傾いていく折り返し点です。

この日は秋のお彼岸の中日にもあたり、祝日としては「祖先をうやまい、亡くなった人をしのぶ」日と定められています。ご先祖のお墓に手を合わせる習わしと、昼夜がつり合う天文上の節目が、同じ一日に重なっているわけです。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、秋分は、夏の暑さがようやくやわらぐ季節の目印としても、昔から暮らしのなかで意識されてきました。お彼岸におはぎを供える習わしも、この季節の節目に結びついたものです。天文の計算と、ご先祖を思う気持ちと、季節の移ろい。秋分の日には、性格の違う三つのものが、自然に同居しています。

出典:国立天文台(暦計算室)、内閣府「国民の祝日について」などの公表情報をもとに作成(2026年8月時点)。将来の日付は変わる場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。

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