誤用しがちな日本語10選|本当の意味の答え合わせ ことば
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誤用しがちな日本語10選|本当の意味の答え合わせ


会話の中で、ふと「あれ、これって本当はどういう意味だったかな」と感じる言葉があります。多くの人が日常で使うのに、本来の意味と少しズレた使い方が広がっている表現。

このページでは、文化庁の「国語に関する世論調査」などでも繰り返し取り上げられる、誤用しがちな日本語を10個まとめて答え合わせします。気になるものから、目を通してみてください。

01「役不足」「敷居が高い」──意味が反対になる5語

まずは、本来の意味と、現代の用法が逆になっていることがある言葉から。

  1. 役不足

    本来は「与えられた役が、自分の力量に対して軽すぎる」という意味。「私には役不足です」と謙遜のつもりで使うと、本来は「もっと大きな役をもらえるはず」という主張になってしまいます。

  2. 敷居が高い

    本来は「不義理や負い目があって、その家を訪ねにくい」という意味。「高級なお店に入りにくい」という使い方は、近年広く使われるようになった新しい用法とされます。

  3. 確信犯

    本来は「自分の信念に基づいて行う、政治的・思想的な犯罪行為」を指す法律用語。「悪いとわかっていながらやる人」という意味で使われることが多いものの、これは本来の意味とは異なります。

  4. 煮詰まる

    本来は「議論や検討が十分に進んで、結論が見えてきた状態」。「考えが行き詰まった」という意味で使うのは、現代の用法のひとつとされます。

  5. なし崩し

    本来は「物事を少しずつ片づけていく」という意味。漢字では「済し崩し」と書きます。「うやむやのまま進める」という使い方は、現代でよく使われる別の意味合いです。

02「情けは人のためならず」──意味が違って解釈されがちな3語

続いて、意味の取り違えが多いとされる言葉を3つ。

  1. 情けは人のためならず

    本来の意味は「人にかけた情けは、巡り巡って自分のもとに返ってくる」。「人に情けをかけるのは、その人のためにならない」と解釈する人も一定数いるとされます。

  2. 気が置けない

    本来は「気を使わなくていい、打ち解けた関係」という意味。「油断できない、気を許せない」という意味だと取られているケースが、調査でも報告されています。

  3. 流れに棹さす

    本来は「流れに沿って、勢いをつける」という意味。「流れに逆らう」という意味で受け取られているケースが少なくありません。

03「全然」──実は誤用じゃないかもしれない2語

最後に、誤用と思われがちだけれど、実は古くから両方の使い方があった言葉を2つ。

  1. 全然

    「全然大丈夫」「全然平気」のように肯定的な文脈で使うことを「誤用」と感じる人もいますが、近代の文献には肯定で使われた例も見られます。「打ち消しと一緒に使う」という決まりが広まったのは、戦後の規範意識が影響しているとされます。

  2. ら抜き言葉(食べれる・見れる)

    本来は「食べられる」「見られる」が文法的に正しいとされてきましたが、「可能の意味」を「受け身・尊敬」と区別しやすくする実用的な変化として、辞書類でも併記されつつあります。

言葉は「正しい・間違い」より、「相手にどう届くか」で考えると、ぶれにくくなります。

04意味を知ったあとに、どう使うか

誤用しがちな言葉を、たった1日で使い分けられるようにする必要はありません。むしろ、意味を知ったあとに大事なのは、「相手に伝わる形で使えているか」を見直すきっかけになることです。

「役不足」「敷居が高い」のように、意味が反対に取られかねない言葉は、目上の人や仕事の場面では避けて言い換えるのが安心。「全然」「ら抜き」のように、両方の使い方が広まっている言葉は、相手や場面に合わせて使えば、誤りとまでは言えません。

言葉は時代とともに変わっていきます。「正しい意味を知っている」だけでなく、「いま、どう使われているか」を一緒に押さえておくと、会話のなかで言葉に振り回されずに済みます。気になるものを1つでも持ち帰って、明日からの会話で意識してみてください。

本記事の言葉の意味・用法に関する記述は、文化庁「国語に関する世論調査」や主要辞書類を参考にした2026年5月時点の整理です。言葉の使われ方は時代や場面によって変化します。

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