「気が置けない」、本来は良い意味?悪い意味? ことば

「気が置けない」、本来は良い意味?悪い意味?

誤用が多い表現として有名な慣用句。本来の方向性をはっきり押さえておくと安心です。

Q

「気が置けない友人」の本来の意味として、正しいのはどちらでしょうか。

A.

解説

正解は「遠慮や気づかいがいらない、親しい関係」。

「気が置けない友人」は、遠慮や気づかいのいらない、心を許せる相手のこと。よい意味の言葉です。

もとになっているのは「気を置く」という言い方で、これは相手に気をつかう、遠慮する、といった意味を持ちます。その打ち消しが「気が置けない」なので、字義どおりには「気をつかわなくてよい=気楽な間柄」を表します。もともと江戸時代から使われてきた言い方とされ、古くは「気の置けない」とも書かれますが、どちらも意味は同じです。ところが「置けない」という否定形の見た目から、「油断できない」「気を許せない」と正反対に受け取る人も少なくありません。文化庁の「国語に関する世論調査」でも、本来と逆の意味で理解している人が、正しく理解している人と同じくらい、年によってはそれ以上いると報告されています。「そつがない」「抜け目がない」など、形の似た慣用句と混ざることも、誤解を後押ししているようです。

やっかいなのは、ほめ言葉のつもりが正反対に伝わりかねない点です。相手が本来の意味を知らないと、「気が置けない人ですね」が皮肉に聞こえることもあります。とくにメールや初対面など、声の調子が伝わらない場面では気をつけたいところです。誤解を避けたいなら、「気楽に付き合える」「遠慮のいらない」と言い換えるほうが確実です。あえて使うなら、「遠慮しなくていい、気の置けない仲でね」と、意味を添えて渡すと行き違いが起きません。

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