教養・雑学
G7とG20は何が違う?──サミットの種類と選ばれる基準
「G」のうしろに付く数字は、もともとは集まる国の数を表しています。G7なら7か国、G20なら20か国。ところがG20をいま数えてみると、参加しているのは19の国とEU、それに2023年に加わったアフリカ連合で、ちょうど20にはなりません。
ニュースで何度も見聞きするわりに、G7とG20がどう違うのかは説明しにくいものです。数字の大小だけでなく、そもそも集まる顔ぶれの選ばれ方が違います。その仕組みがわかると、国際ニュースの見え方が少し変わります。
この記事でわかること
01そもそも「サミット」とは
「サミット」は英語で「山の頂上」を意味する言葉で、国際政治では各国のトップ、つまり首脳が直接集まって話し合う会議を指します。日本語では「主要国首脳会議」と呼ばれてきました。
大臣どうしの会議は数多くありますが、首脳が一堂に会する機会はそう多くありません。だからこそ、サミットで交わされる言葉や写真は、世界へ向けた強いメッセージとして受け取られます。G7もG20も、この首脳会議の一種です。
02G7とは──主要国が集まる場
G7は、フランス・アメリカ・イギリス・ドイツ・日本・イタリア・カナダの7か国に、EU(欧州連合)も参加する枠組みです。外務省によると、始まりは1975年、フランスのランブイエに6か国の首脳が集まった会議で、翌1976年にカナダが加わって7か国になりました。当時は石油危機のあとの世界経済をどう立て直すかが、大きなテーマでした。
1998年からはロシアが正式に加わり、「G8」と呼ばれた時期もあります。けれど2014年、ロシアによるウクライナの主権の侵害を受けて参加が停止され、それ以降はふたたびG7として開かれています。
03G20とは──金融危機が生んだ枠組み
G20は、G7の7か国に加えて、中国・インド・ブラジルといった新興国や、韓国・オーストラリア・サウジアラビアなどを含む、より広い集まりです。1999年にまず財務大臣と中央銀行総裁が集まる会議として始まり、2008年の世界的な金融危機をきっかけに、首脳が集まる会議へと格上げされました。
正式な顔ぶれは、19の国に、EU(欧州連合)とアフリカ連合(AU)という2つの地域機関を加えた、21のメンバーです。数えると21ですが、これは「21か国」という意味ではありません。アフリカ連合は、アフリカの55の加盟国で構成される地域機関で、2023年9月のG20ニューデリー・サミットで常任メンバーとして迎えられました。これにより、G20は世界のさまざまな地域の声を含むようになりました。参加する国と地域を合わせると、世界経済の大きな部分を占めるとされています。
04G7とG20、何が違うのか
いちばんの違いは、顔ぶれの「選ばれ方」です。
G7は政治・経済の基本的な立場が比較的近い主要国の集まり、G20は世界経済に大きな影響を持つ国や地域を幅広く集めた場。同じ首脳会議でも、誰が集まるかの基準がそもそも違います。
そのぶん、話し合いの色合いも変わります。G7は顔ぶれが近いぶん足並みをそろえやすく、G20は立場の異なる国が多いぶん、合意づくりは簡単ではありません。一方で、新興国も交えたG20でなければ前に進まないテーマもあります。どちらが上ということではなく、役割の違う場だと考えると見通しがよくなります。
05ほかにもある国際的な「集まり」
主要国が集まる場は、G7やG20だけではありません。気候変動を話し合う「COP(コップ)」、アジア太平洋の国々が経済協力を進める「APEC(エイペック)」、新興国を中心とした「BRICS(ブリックス)」など、テーマや顔ぶれの違う集まりがいくつもあります。
どれも「世界の課題を、関係する国が集まって話す」という点は共通しています。名前だけ見ると複雑ですが、何のために、どの国が集まる場なのかという目で見ると、ニュースのなかでの位置づけがつかみやすくなります。
06ニュースで見かけたときに
G7やG20の名前が出てきたら、まず「今回はどの国が同じテーブルについているのか」を見てみる。それだけで、誰のあいだの、何についての話なのかがつかみやすくなります。
G7は少数の主要国、G20はより広い国と地域の集まり。数字の大きさよりも、誰が同じテーブルについているかに、その会議の性格は表れています。
本記事は国際的な首脳会議(サミット)に関する一般的な解説を目的としたものです。記載内容は外務省の公開情報などをもとにした2026年6月時点の整理であり、各会議の参加国・議長国・開催地は今後変わる場合があります。最新の情報は外務省など公式の発表をご確認ください。