「大型」と「非常に強い」は何が違う?──台風の強さと大きさの読み方 教養・雑学
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「大型」と「非常に強い」は何が違う?──台風の強さと大きさの読み方


台風が近づくと、ニュースで「大型で非常に強い台風」といった言い方を耳にします。「とても危ない台風」という印象だけが残って、通り過ぎていく言葉かもしれません。

この「大型」と「強い」は、まったく別のものを指しています。片方は風の速さ、もう片方は風のおよぶ広さの話です。

01「強い」と「大きい」は、別のものさし

台風の情報には、「強さ」と「大きさ」という二つの見出しがあります。気象庁は、この二つをそれぞれ別の基準で決めています。強さは風がどれだけ速いか、大きさは強い風がどれだけ広い範囲におよんでいるか。測っているものが違います。

「大型で強い台風」といえば、風のおよぶ範囲が広くて、なおかつ風速も速い台風、という意味になります。広さと速さは、それぞれ別に見ておくものです。

02強さは、風の速さで決まる

「強さ」は、台風の最大風速(10分間の平均風速)で三段階に分かれます。風速がおよそ33メートル以上で「強い」、44メートル以上で「非常に強い」、54メートル以上になると「猛烈な」台風です。数字が上がるほど、被害も大きくなりやすいとされています。

風速が33メートルに満たない台風には、強さを表す言葉がつきません。以前は「弱い」「並の強さ」という表現もありましたが、油断につながりかねないなどの理由から、2000年ごろに使われなくなりました。名前がつかないだけで、警戒がいらないわけではありません。

03大きさは、風の広がりで決まる

いっぽう「大きさ」は、風速15メートル以上の風がふく範囲(強風域)の半径で決まります。半径がおよそ500キロ以上で「大型(大きい)」、800キロ以上になると「超大型(非常に大きい)」と呼ばれます。強さと同じように、500キロに満たない台風には、大きさを表す言葉がつきません。

天気図でよく似た言葉に「暴風域」があります。こちらは風速25メートル以上のさらに強い風の範囲のことで、大きさの基準になる強風域(15メートル以上)とは別の円です。テレビの台風情報で二重の円が描かれているのは、この二つを重ねて示しているためです。

大きいというのは、勢いの強さではなく、影響のおよぶ広さの話です。超大型になると、強風域が本州をすっぽり包むほどの広がりになることもあります。中心から遠く離れた地域でも、長い時間、風雨が続きやすくなります。

04「小さくて猛烈な」台風もある

強さと大きさは別ものなので、組み合わせはいろいろです。範囲は狭くても中心の風がきわめて速い「小さくて猛烈な」台風もあれば、風速はほどほどでも影響範囲がとても広い「超大型で強い」台風もあります。

「強い」は風の速さ、「大きい」は風のおよぶ広さ。まったく別のものさしです。

「大きいから強い」とはかぎらず、「小さいから安心」ともかぎりません。それぞれが別の危険を指しているので、片方だけを見て判断しないほうが安全です。

05予報の言葉を、二つに分けて聞く

台風の予報を聞くとき、「大型で非常に強い」という一続きの言葉を、二つに分けてみます。大型は風のおよぶ広さ、非常に強いは中心の風の速さ。片方は「どこまで」を、もう片方は「どれだけ」を伝えています。

広く構えた台風なのか、中心の風が鋭い台風なのか。同じ「危ない」でも、危なさの中身は台風ごとに違います。予報の言葉は、その違いを見分けるための目盛りです。

出典:気象庁「台風の大きさと強さ」ほか公的機関の公表情報をもとに作成(2026年7月時点)。階級の基準や運用は変更される場合があるため、最新情報は気象庁の公式サイトをご確認ください。台風接近時は、自治体の避難情報や気象庁の警報にしたがってください。

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