知らない人が近づくと落ち着かないのは、何センチから? 心理学

知らない人が近づくと落ち着かないのは、何センチから?

エレベーターで知らない人と二人きりになると、つい壁ぎわまで距離をとります。この「これ以上近づかれると落ち着かない」という感覚には、心理学で名前がついています。

Q

アメリカの文化人類学者エドワード・ホールは、人と人との距離を4つに分けました。家族や恋人など、ごく親しい人だけが入って許される「密接距離」は、だいたい何センチくらいまでとされるでしょうか。

A.

解説

正解は「約45センチまで」。

家族や恋人など、ごく親しい人だけが入って許される「密接距離」は、およそ45センチまでとされています。これは、アメリカの文化人類学者エドワード・ホールが整理した、人と人との距離の取り方をめぐる考え方の一部です。

ホールは1966年の著書『かくれた次元』のなかで、対人距離をおおきく4つに分けました。密接距離(およそ45センチまで)は体温やにおいまで感じられる、ごく親しい相手との距離。個体距離(約45センチ〜1.2メートル)は、手を伸ばせば届くくらいの、友人と気軽に話すときの距離。社会距離(約1.2〜3.6メートル)は仕事の相手や初対面の人と向き合うとき。公衆距離(約3.6メートル以上)は講演や式典など、一対多の場面です。相手との関係によって、自然にとる距離が変わると説明しました。こうした対人距離の研究は「プロクセミクス(近接学)」と呼ばれます。ただし、この距離感には個人差があり、国や文化によっても違うとされています。あいさつで体を寄せる習慣のある地域もあれば、距離を広めにとる地域もあると言われます。

満員電車やエレベーターが妙に落ち着かないのは、本来は親しい人にしか許さない密接距離に、見知らぬ人が入ってくるからだと説明できます。だから初対面の相手と話していて急に気まずくなったときは、相手の人柄を疑う前に、腕一本ぶん——だいたい45センチより内側に踏み込んでいないかを見直すと、ちょうどよい距離を探りやすくなります。

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