愛着スタイルとは?安定・不安・回避でわかる人間関係のクセ 人間関係・恋愛
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愛着スタイルとは?安定・不安・回避でわかる人間関係のクセ


人との距離の取り方が、いつも似たパターンになる。仲よくなりたいのに一歩引いてしまったり、逆に相手の反応が気になって落ち着かなかったり。そんな自分のクセに、心当たりはないでしょうか。

こうした傾向の背景には、「愛着スタイル(アタッチメント・スタイル)」という考え方があります。ここでは安定・不安・回避の3つから、人間関係のクセをやさしく整理します。

01愛着スタイルとは

愛着(アタッチメント)とは、人が特定の相手との間に結ぶ、情緒的な結びつきのことです。この考え方を整理したのが、イギリスの精神科医・精神分析家のジョン・ボウルビィ(1907〜1990)でした。1950年代以降、子どもが養育者との間に築く結びつきが、その後の心の安定の土台になると論じたとされています。

その理論を観察で確かめたのが、発達心理学者のメアリー・エインスワース(1913〜1999)です。「ストレンジ・シチュエーション法」と呼ばれる方法で、母親と一度離れ、また再会する場面での子どもの反応を観察しました。その様子から、いくつかの反応のパターンが見いだされています。

この「人との関わり方のクセ」を、大人の関係にも当てはめて整理したのが愛着スタイルです。良し悪しを決めるものではなく、自分の傾向を眺めるための見取り図に近いものと考えると、向き合いやすくなります。

023つのタイプ(安定・不安・回避)

愛着スタイルは、研究者によって分け方に幅がありますが、ここでは広く知られる3つの傾向として整理します。どれかひとつにきっちり収まるというより、強く出る傾向がある、というくらいに読んでみてください。

  1. 安定型

    相手との距離をほどよく保ちやすいとされる傾向です。困ったときに人を頼ることにも、ひとりで過ごすことにも、過度な不安を感じにくいと説明されます。相手を信頼しつつ、自分のペースも保ちやすいパターンです。

  2. 不安型(とらわれ型)

    相手に嫌われていないか、見捨てられないかが気になりやすいとされる傾向です。相手の小さな反応が気にかかり、近づきたい気持ちが強く出ることもあります。それだけ人を大切に思っている、という側面とも重なる部分があるかもしれません。

  3. 回避型

    人と深く関わることに、距離を取りたくなりやすいとされる傾向です。頼ることや弱みを見せることが苦手で、ひとりの時間で立て直すほうが落ち着く、と感じる場合もあります。自立心の強さと重なる部分があるとも言われます。

大事なのは、これらは「タイプ分けして決めつける」ためのものではない、ということです。「自分は不安型だ」と断定するのではなく、「不安型の傾向と重なる部分があるかもしれない」くらいの距離感で受け取るのが、ちょうどよい付き合い方です。

03なぜ大人の人間関係や恋愛に出るのか

もともとは子どもと養育者の関係から研究が始まった愛着ですが、その考え方は大人の親密な関係にも当てはめて論じられるようになりました。恋愛やパートナーとの関係を、ひとつの愛着の形としてとらえる研究が知られています。

親しい相手との関係は、心の距離が近くなるぶん、自分の素の反応が出やすい場面でもあります。だからこそ、不安が強く出たり、逆に距離を取りたくなったりという「クセ」が、人間関係や恋愛の場面で表に出やすいと説明されることがあります。

愛着スタイルは、人を分類するラベルではなく、自分の心の動き方を眺めるための地図のようなものです。

地図があると、「なぜ自分はいつもこの場面でつまずくのだろう」と責める代わりに、「ここは引っかかりやすい道なのかもしれない」と一歩引いて眺められます。それだけでも、同じ場面の受け止め方が少しやわらぐことがあります。

04「愛着障害」との違い

愛着について調べると、「愛着障害」という言葉に行き当たることがあります。ここは少していねいに分けておきたいところです。

「愛着障害」は、医療の場で使われる診断名です。アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5)では、「反応性アタッチメント障害」「脱抑制型対人交流障害」といった形で位置づけられており、専門家による診断が必要なものとされています。

一方で、この記事で扱ってきた愛着スタイルは、診断名ではなく「傾向」です。誰もが多かれ少なかれ持っている、人との関わり方のクセを整理した見方であって、病気や障害を指すものではありません。

ですから、3つのタイプの説明を読んで「自分に当てはまるかも」と感じても、それを自分への診断のように受け取る必要はありません。診断は専門家が行うもの。ここで手に入るのは、あくまで自分を知るための地図のほうです。

05タイプに優劣はない、という入口

安定・不安・回避という言葉が並ぶと、つい「安定がいちばん良くて、ほかは直すべきもの」と感じてしまいがちです。けれど、タイプそのものに優劣があるわけではありません。不安型の傾向は人を大切にする力と、回避型の傾向は自分を立て直す力と、それぞれ地続きでもあります。

自分の傾向を知ることの良さは、変わるためというより、まず「責めなくて済むようになる」ことにあるのかもしれません。いつものパターンが見えてくると、自分にも相手にも、少しだけ余白を持って向き合えるようになります。

気になったタイプの説明を、ひとつだけ持ち帰ってみてください。「直すべき欠点」ではなく「自分を知る入口」として眺めると、人との距離の取り方が、これまでより少し軽く感じられるかもしれません。

本記事は愛着スタイルという考え方を一般的に紹介したもので、診断を目的としたものではありません。人間関係の悩みがつらく続く場合や心の不調を感じる場合は、厚生労働省の働く人のメンタルヘルスポータル「こころの耳」などの公的相談窓口や、医療機関への相談も選択肢にしてください。

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