人間関係・恋愛
「回避型」かもしれない人へ──距離を取りたくなる心理と付き合い方
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仲良くなりたい気持ちはあるのに、相手が一歩近づいてくると、なぜか少し引いてしまう。弱音や困りごとを打ち明けるのが苦手で、つらいときほど「ひとりで何とかしよう」としてしまう。そんな自分に、戸惑ったことはないでしょうか。
これは「冷たい人」とか「愛情がない人」という話ではありません。心理学では、人との距離の取り方の傾向を「愛着スタイル」と呼びます。その一つが、一般に「回避型」または「回避傾向」と呼ばれるものです。専門的な分類では「拒絶・回避型」などと説明されることもあります。あくまで傾向の話で、診断ではないことを先にお伝えしたうえで、その仕組みと付き合い方を見ていきます。
この記事でわかること
01「回避型」とは、愛着スタイルの一つ
愛着スタイルは、人と親しくなるときの距離の取り方のクセのようなものです。大きく「安定型」「不安型」「回避型」などに分けて語られることが多く、回避型はそのなかで、近づきすぎることに居心地の悪さを感じやすい傾向を指します。
同じく距離に悩む不安型が「見捨てられたくない」と相手に近づこうとするのに対して、回避型はむしろ「距離を取ること」で安心を確保しようとする、と説明されます。親しくなるほど引きたくなるのは、相手が嫌いだからではなく、自分を守る昔ながらのやり方が働いているのかもしれません。
距離を取りたくなるのは、人を遠ざけたいからではなく、自分を守ろうとする心の慣れたやり方だ、と考えられています。
02よくある場面(決めつけずに読んでください)
回避型の傾向としてよく挙げられる場面を、いくつか並べてみます。すべて当てはまる必要はありませんし、一つ二つ重なるからといって「自分は回避型だ」と決めつけるためのものでもありません。「こういう傾向と重なるかも」という、ゆるい手がかりとして読んでみてください。
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距離を詰められると、つい引いてしまう
相手が急に深く踏み込んでくると、嬉しさより先に「少し離れたい」という感覚が立ち上がることがあります。連絡が増えると、返信のペースを落としたくなる人もいます。
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弱音や困りごとを見せるのが苦手
つらいときほど「心配をかけたくない」「自分で何とかしたい」と感じ、頼ることをためらいやすいとされます。感情の話そのものを、少し面倒に感じることもあります。
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ひとりの時間で回復する
人と過ごしたあとに、ひとりになって静かに過ごすことでエネルギーを取り戻す。これは弱さではなく、自分のペースを保つための大切な時間になっていることが多いものです。
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表向きは社交的に見えることもある
回避型は無口とは限らず、人付き合いが上手で社交的に見える人もいます。にぎやかに振る舞いながら、心の深いところでは一定の距離を保っている、というかたちです。
03背景にある心理は「自立を学んだ適応」とされる
なぜ距離を取るのか。回避型の背景については、いくつかの仮説が語られています。よく挙げられるのは、幼い頃に甘えや弱さを十分に受け止めてもらいにくい環境にあると、「人に頼らず自分で何とかするほうが安全だ」と学び、それが大人になっても続く、という見方です。
つまり、距離を取る反応は欠点というより、その人がかつて身につけた「適応」だと考えられています。自立心が強く、自己責任を重んじ、人に迷惑をかけたくない──こうした姿勢は、見方を変えれば、自分の足で立つ力でもあります。
大切なのは、これが「治すべき性格の欠陥」ではないということ。愛着スタイルは生まれつき固定されたものではなく、大人になってからの経験で少しずつ変わりうる、とも言われています。「頼っても大丈夫だった」という経験を重ねるなかで、距離の取り方がやわらいでいくことがあるとされます。
04付き合い方──自分の場合・相手の場合
回避型の傾向と上手に付き合うコツを、「自分がそうかもしれない場合」と「相手がそうかもしれない場合」に分けて見ていきます。
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自分が回避型かもしれないとき
引きたくなる自分を責めないことから始めると、楽になりやすいものです。距離を取りたくなったら、無理に近づこうとするより「今は少し休みたい」と正直に伝えてみる。ほんの小さな弱音を、信頼できる相手に一つだけ打ち明けてみる。一度に変えようとせず、できる範囲で十分です。
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相手が回避型かもしれないとき
相手が距離を取ったように見えるときも、すぐに「嫌われた」と決めつけないでおくと、お互いが少し楽になります。追いかけて距離を詰めるほど、相手はさらに離れたくなることがあるとされます。返事を急かさず、ひとりの時間を尊重し、安心できる距離を保つ。冷たさではなく、その人なりの守り方なのだと知っておくだけで、関わり方がずいぶん変わります。
05「直す」より「知っておく」から始める
回避型かもしれない──この傾向は、無理に矯正するものでも、急いで克服するものでもありません。距離を取りたくなる自分を「そういう傾向があるんだな」と知っておくだけで、自分にも相手にも、少しやさしくなれることがあります。
近づくことと、ひとりでいること。どちらかを選ぶのではなく、自分に合う距離を探していく。まずは、距離を取りたくなる自分を責めないこと。ゆるみは、いつもそこから始まります。
距離を取りたくなる自分の傾向を、もう少し深く理解したい方には、愛着スタイルから読み解く一冊もあります。
本記事は愛着スタイルに関する一般的な考え方を紹介したもので、診断や治療を目的としたものではありません。人間関係の悩みが続いてつらい場合や、生活に支障を感じる場合は、公的相談窓口・医療機関・信頼できる人への相談も選択肢にしてください。