教養・雑学
ハロウィンはなぜカボチャ?──もとはカブだった話
10月に入ると、街角にオレンジ色のカボチャが並びます。三角の目と大きな口。その顔を見るだけで、もうすぐハロウィンだとわかります。
ところが、このおなじみの飾りは、最初からカボチャだったわけではありません。アイルランドに伝わるカブの灯りを手がかりに、ハロウィンの顔が変わった道のりをたどります。
この記事でわかること
01カボチャの顔には、名前がある
中をくり抜き、顔を彫って灯りをともした飾りは「ジャック・オー・ランタン」と呼ばれます。ハロウィンと聞いて思い浮かべる、あの顔つきの灯りです。
名前には、灯りを持ってさまようジャックという人物の民話が結びついています。ただし、民話にはさまざまな語り方があります。特定の物語を、ハロウィン全体の唯一の起源と考える必要はありません。
02アイルランドでは、カブをくり抜いた
アイルランド国立博物館は、ハロウィンの夜にカブを彫って怖い顔のランタンを作った風習を紹介しています。今のオレンジ色の飾りより、ごつごつした根菜の顔を思い浮かべると近いでしょう。
ここでいうカブは、英語でturnipと呼ばれる根菜です。日本の食卓に並ぶ小さな白いカブだけを想像すると、少し印象が違うかもしれません。「もとはカブだった」は、こうした地域の灯りの風習を指す説明です。
03海を渡って、カボチャが主役に
ゴールウェイ市立博物館の解説では、アイルランドからの移民が風習をアメリカへ伝え、手に入りやすく彫りやすいカボチャが使われるようになったとされています。
受け継がれたのは、同じ野菜そのものより、顔を作って灯りをともす楽しみ方でした。暮らす場所が変われば、手元にある材料も変わります。おなじみのオレンジ色は、風習が新しい土地に根づいた姿と見ることもできます。
04「昔は全部カブ」と言い切らない
行事の歴史は、一本の年表だけでは説明しきれません。地域によって飾り方や使う材料が異なり、古い習わしと新しい楽しみ方が重なって現在の形になっています。
会話で紹介するなら、「アイルランドではカブのランタンを作っていたそうだよ」くらいが伝えやすい言い方です。「世界中で必ずカブだった」と広げないだけで、短い雑学にも背景が残ります。
05今年の飾りに、小さな物語を添える
お店でカボチャの飾りを見つけたら、隣にカブの顔があったらどう見えるか、想像してみてください。同じ目と口でも、材料が違えばずいぶん表情が変わりそうです。
今年は、紙に二つの顔を描いて並べるだけでも楽しめます。実際の灯りを飾るなら、火を使わないLEDも選択肢に。見慣れた飾りに来た道をひとつ添えると、10月の景色が少し違って見えてきます。
行事や民話の由来には地域差・諸説があります。博物館の公開資料を参照し、カブからカボチャへの変化を中心に紹介しています。
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